いつの頃かと 思い馳せては遠く
されど恋ぞ 我が心中に根付き参らせて
愛しさ 切り裂かれし傷口 更には流れ落つ血にも同じ
そは 鼓動ごと弾け収まらぬ 忌まわしき狂気にも似て
されど現に現わるは 目を覆うばかり ただ惨たらしい快楽の舞台
溺れる者等は常として 正しき彼の人 その言の葉を忌む
神は来たり
望まざりし恋慕携え 闇に住まう娘の上にと
彼の口付けをだけ望む
苦き裁きの味こそ欲す
我を抱く事なし その悩ましき腕
我を許さざりし双眼 一筋の哀れみさえ写さじ
恋を誘いし神こそは 我の恋慕を叶わせぬ
滅してなお愛しいがゆえ 我は棺と相成らんとす
紅蓮の愛憎纏うこの身の 舞踏に優しき花などいらぬ
我の望み叶えたもうなら 恋男の首 我にこそ与えよ
月にも映える銀の台座 その上にただ首を頂き
その冷たき唇にこそ 我のそれを重ねたもう
同じ罪持て 裁かれし王
我に唯一 かの首を与えよ