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似非炉利痛

えせろりいた

日々の徒然記録用。

生と死について

私の人生において、「恩師」と言える人間は数少ない。そんな「恩師」の一人が亡き人となった。彼女は登山を趣味としていたのだが、その最中に滑落事故にあったそうだ。しかしまあ、どうにも実感が沸かないのである。私は彼女が事故にあった現場に居合わせた訳でもないし、葬式はまだ執り行われていない。それに、私は簡単に彼女にかけてもらった言葉を今でも思い出すことができる。人が本当に死ぬのは人に忘れられたときだ、というのはよく言ったものだと思う。陳腐な言葉ではあるが、彼女は私の心の中で生きているのだ。案外、生と死の境界線なんていうものは曖昧なのかもしれない。それこそ、それを隔てているのは屋上にある薄いフェンスの様なものだ。簡単に下を覗き込めるし、簡単に飛び越えることもできる。

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