窓から枯葉が舞い込む様な、風の強い秋の夕方。誰かが屋敷のノッカーを叩く。それは風ではなく、確かに人間が揺らした音だ。
久しぶりの来客だと屋敷の主は喜んだ。主の甥は溜息を吐いて、玄関へ客を迎えに行った。重い扉の外に居たのは、セーラー服を着た一人の少女だった。
あらすじ
『裏切り者』と呼ばれ不登校になっていた早水結多は、学校に行かない代わりに近所のお屋敷で働く事になる。仕事内容は屋敷の主、比良坂理の世話をする事。目の見えない理は甥の光照と二人で暮らしているそうだが、彼らはどこか問題を抱えている様だ。そうとも知らず、結多は紳士的な理に恋をしていた。