記憶。
ツイッターには書いたのですが、つい最近、日常ががらりと変わったので日記をつけていこうと思います。
闘病記録ですので、あしからず。
***
少し眠れて、目が覚める。
重力と痛みと窓から差し込む朝日が、全身を押し潰す。
動け、念を込めて柵を掴んで横向きになろうと試みるが、下半身は飾り物のように動かない。
そうこうしているうちに、いつの間にか起床時間になったらしい。
オーケストラの合奏みたいに、一斉に電気が灯り室内が華やかになった。
ひとりで朝起きて顔を洗うことも、歯を磨くこともままならない。
今まで当たり前に出来ていたことが、できない。
情けないと精神的な涙が、少し頬を伝う。
常に全身の皮膚と骨を火で焼かれているようなジュクジュクとした、嫌な痛み。
処置を受けるたびにそれが業火に変わり、痛いと歯を食いしばるしかない。
一生懸命、ケアに当たってくれている看護師さんやお医者さんを前にして痛みのあまり生理的な涙が流れるのは、申し訳ない。すみません。
でも誰も責めないから、本当に感謝。激痛の中でも「ありがとうございます」の言葉だけは絶対に忘れない。これを忘れたら、人として終わり。
人生で意味のないことは起こらないというが、神様はこの経験を私にどう活かせと告げているのだろう。
まだ答えは出ない。
初日に点滴をしたまま、床に落としてしまった担当看護師さんの名札を取ろうと無茶をして血が逆流し、血塗れになった点滴の針が刺さったままの片腕でボタンを押す。
「痛み止めを下さい」
どんなご馳走よりも、宝石よりも。
今は痛み止めをもらえることの方が、1番の幸せであり安心でもある。
今日も一日、頑張ろう。
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