弄月鬼、三章・第八話
そろそろ『美月、チョロすぎない?』と思われる読者様もおられるのではないかと存じます。が、怜月との掛け合いに関しては不可抗力だと、言い訳させていただきたいです。
なにせ怜月は、長にして“女の敵”なので、ウブにしてお兄ちゃん子な美月が敵う相手ではないのです。
お千はぽんぽんやっつけていましたが、本当に今回が初対面です。ただ、お千の方は島原での怜月を一方的に知っていたがゆえに『女の敵!』と、なるわけですね⋯⋯。
今回、二章・第一話で登場した小間物屋の店主が再登場し、怜月が『望月屋』と呼んでいますが、これは便宜上の通称で苗字ではありません。江戸時代、士分より下の庶民に苗字はありませんでしたので。
特例として“苗字帯刀”という、苗字や帯刀・武家との婚姻を許す制度がありましたが、庄屋や御用商人といった、庶民の中でも一握りの特権階級にのみ適用されたものです。
余談になりますが、天皇も過去から現在に至るまで姓や苗字を持っていません。理由はあえて書きませんので、気になった方は調べてみてくださいね。
ちなみに、怜月が望月屋という店名にケチをつけた理由は⋯⋯“月を望む”とも読めるからです。
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