薬剤師さん
この頃、何にも眠れなくなる日がある
昨日も眠れなくなった
昨日は仕事で疲れきってきた
早めに薬を飲んで布団に入ったのに、一時間、二時間と、時間ばかりが過ぎていく
隣のMくんは、すやすやと寝ている
一人起きていることが、すごく悲しくなった
頓服を足した
でも、まだ眠れない
さらに頓服を飲んで布団に入ったけど、悲しくなるくらいに眠れない
だんだんと、悲しみは、怒りに変わってきた
こんなに眠れないなら、全部薬を飲んじゃえばいいんだ、
イライラ、イライラ
本当に眠れなくて、焦ってくる
早く寝ないと
明日も仕事なのに
さらに薬を飲もうとしたけど、どのくらいまで飲んでいいのかわからなくて、かかりつけ薬局の夜間対応窓口に電話をした
「花さん?どうした?」
「眠れなくて、頓服を2回も使ったのにまだ眠れなくて、あとは、何を飲めばいいですか?」
「何かあった?」
「仕事で頭を使いすぎて、すごく疲れているんです。沢山、仕事があって。イライラもするんです。」
「それは、頑張ったね。そりゃあ、眠れなくなるよ。花さんは、頑張ったんだよ。イライラしちゃうくらい、一生懸命やったんだよ。だから、まずは、認めてあげて。自分は、頑張ってやってきたこと。今日も一日よくやったね。花さんは、頑張りました。」
「私、頑張ったんだ?そうかぁ、頑張ってやってきたから、疲れてるんだ。」
「そうだよ。まずは、認めてあげて。そしたら、頓服の薬も効いてくるから。大丈夫。」
薬剤師さんからの言葉は、魔法のようだった
ありがたかった
そのあと、涙が溢れてきた
頑張ってやってきたんだと思ったら、声をあげて泣いてしまった
その声にびっくりして、Mくんが起きた
「花ちゃん、どうした?」
「眠れなくて。」
そしたら、Mくんは、
「手を繋ごう。そしたら、寝ちゃうよ。」
と言った
私は、泣きながら、知らないうちに眠っていた
みんな、優しい
世界は、私が思っているより、ずっと優しいんだね
心があたたかくなった
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