女子小中学生になった気分で
普通に生きていると似たような情報ばかり得てしまい思考が固まってしまう。エコーチェンバーというのも馬鹿にできないね。というわけで思考に新しい風を入れてみることにした。
『願いごとをかなえちゃおう!とっておきのおまじない1200 』
まずはこちら。びっくりするほど多数のおまじないが載っている。ふーむ、異文化交流している気分になってなかなか面白い。効くのかどうか知らんけど「信じることでその気になって行動できる」のならきっと効果があると言ってもいいのかもしれないね。考えてみれば、日本人は無宗教を自認する人が多いけれどお正月には大挙して神社に初詣に行くしお盆には渋滞を乗り越えて民族大移動の様相でお墓参りに行く。スコット・カニングムは『魔女の教科書』の中で「魔術が否定されているというけれどカトリック教会のミサで行なわれているパンと葡萄酒がキリストの肉と血になるという話だって魔術的だ」という話もある。おばあちゃんが孫のために学業成就や交通安全のお守りを渡すことを馬鹿にする人はそういないだろうし、妊婦が神社で犬帯を授かってくることを「愚かな迷信だ」と揶揄する阿呆はそうそういないだろう。それを考えるとおまじないだって案外そこまで子どもだましと馬鹿にするものでもないのかもしれないな。私がこの本に書いてあるおまじないを実践するかはともかく。
『ミラクルガールバイブル ココロのなかぜ~んぶ見えちゃう!心理テストSP 』
こちらもいかにも女子小中学生が好みそうな少女マンガ的な表紙なのでさっそく入手。ありがちな心理テストが物語仕立てで載っている。「心理テストは心理学を元にして作られたテストなの」とか登場人物がしゃべっていたけどこの本に載っている心理テストにそこまでの科学的な根拠があるのかなぁ、などと思いながら眺めてみた。「占いは統計学です」などと母集団の特定や標準偏差の算出や設問が結果に適正に評価されているのかなどが曖昧なまま主張する人たちと同じ匂いを感じる。心理学の本などでは「心理テストには科学的な根拠がなく実験や統計などを駆使して法則を取りまとめる心理学とは別物」と書いてあるのも多いのだが。フロイトやユングですら「あれは科学ではない」という説もかなり有力であるしね。エンタメ的な夢占いとカウンセリングで行なわれる夢分析だって別物でもあるし。まあ、私はバウムテストや風景構成法にもどのくらいの根拠があるのか知らない素人だけどね。
などと長々と述べてしまったが、こういう本は理屈を述べ立てるものではなく素直に楽しむものなのかもしれない。『金枝篇』を読むときは一緒に魔術を使っている気分になり『共産党宣言』を読むなら共に革命を起こすぐらいで読むのもひとつの手なのかもしれないな。批判的に本を読むというのはもしかしたら楽しみを減らしている可能性もある、などと考えるとそれはそれでなかなか楽しい。
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