夏になると、絶対言い出す奴が居るのはなんでだろうな。
飛鳥は懐中電灯を手に、その錆びた大きな門の前に立っていた。
五年前に廃園になった遊園地で、小学六年のときの同窓会を兼ねて、肝試しをやることになったのだ。
男女ペアで回ることになり、くじ引きの結果、飛鳥は同じ高校に通う色白のイケメン、麻生由真と回ることになった。
だが、他の人たちは二人きりで回っているのかもしれないが、飛鳥たちは違う。
実は、飛鳥は廃園前のこの遊園地で、ある霊と出会い、そのままその霊にとり憑かれていたのだ。
二人と一霊で、怪しいウワサの多い廃遊園地を回ることになった飛鳥たちだが――。
「小説家になろう」にも掲載しています。