そこは暗く陰鬱な、赤黒い空に覆われた世界だった。
 普通の日常に暮らす主人公、樋野ユイカは、ある日パラレルワールドの世界に迷い込む。そこで1人の青年と出会って……?!

あらすじ



 6月1日。ごくありふれた普通の日常送っていたユイカは、この日もいつものように下校すると自宅マンションのエレベーターに乗った。

 しかし着いた先はいつもと違う景色。扉の向こうは赤黒い空に覆われ、見渡す限り荒廃した世界だった。

 恐る恐る降りてみると、1人の青年ユウマと出会う。「お前、どうやってここにきた!」厳しい声に口籠るユイカ。


 その時、陰鬱な世界に鐘の音が響き渡る。


 「ここにいてはいけない!」ユウマの声が、腐敗臭を漂わせる人型のナニカの雄叫びによりかき消されると同時に、ナニカがユイカに向かって勢いよく襲いかかってきた。

 間一髪でユウマに助けられ、ナニカはそのままエレベーター内に突っ込むと、ユイカが乗ってきたエレベーターは無残にも大破。

 「走れ!」銃を構えるユウマに引っ張られ、次々と湧き出てくるナニカをかわし、二人は命からがら地下都市アンダーガーデンに逃げることができた。


 ユウマの自宅に到着すると、ここは並行世界、パラレルワールドであること、ユウマはガーディアンとして、ユイカのように迷い込んでくる人たちを帰すために見廻っているのだと教えてくれた。

 元の世界に帰るには、もう一度あのエレベーターを動かさなくてはいけないのだが……。


 次の日、ユウマの幼なじみ、シンも合流して三人は地上へ向かう。やはりエレベーターを動かすことは不可能で、ひとまず修理の手配をする。なおるまでの間、ユイカはユウマの家でお世話になることになった。


 6月12日。エレベーターの修理が終わり、三人は再び地上へ。お別れの挨拶を済ませ、いよいよ帰る時。

 だがしかし、ユイカは帰れなかった。ユイカの世界とをつなぐ異次元空間の扉、クロノゲートが開いていなかったのである。

 次のゲートが開くのは、6月30日の午前4時。その日まで、ユイカはまたまたお世話になることとなったのだが、ユウマと過ごすうちに少しずつ心惹かれていくのを感じてしまい……。

 帰りたい、帰りたくない、帰らなくてはいけない、でもここにいたい、ユウマのそばにいたい。様々な感情の中で揺れ動くユイカ。

 そして6月25日。ユウマの妹ルナの命日に、ユイカは本当のユウマを知ることとなる。