時は未来。
廃星となった地球から掘り起こされた耐熱型のカプセルには、一通の手紙が保管されていた。
その内容は拙く、全く意味のないものと認識されるはずだった──が、受け取り手である司令官により、とある「可能性」を見出だされ、世界中へと羽ばたくことになる。
司令官の名はアゼル・ディレイ。
テラフォーミングされた火星で生じた各国の争いを、命を賭し停止させた者でもあった。
そして、彼が没してまた再び、かの「手紙」は踊り出す──幾度も、幾度も。
繰り返す時に、警鐘を鳴らすかのように──願いを、語るかのように。