生まれた家も環境も。
自分を取り巻く全てが嫌だった。
それでも此処でアンタに出逢った。
それが何より幸福な事だった。

「クズに人権なんてある訳ないじゃん。」
そう言って笑うこの女は危険な女。


自分を産んだ女は最悪だった。

自分を育てた男は下衆だった。

そこで生きる俺は最低だった。


だからあの日、賭けに出た。



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其処には、クズにはクズなりの矜恃ってモノがあった。




表紙提供 : 林トウヤ様

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