近頃メディアを賑わせている人気若手俳優、高梨飛貴。彼は12年前に音信不通になった幼馴染だった。あたしの構えるカメラの中にはもうあの頃の" ひーくん "は何処にも居ない。ただ在るのは、暴力的な迄に美しいその青く底光りする瞳だけ。
その色が、憎らしい。
その色が、恨めしい。
でもその色を、愛してた。
「 紗和となら炎上してもいいけどね。」
何年経っても色褪せないその色が。
暴力的な美しさを孕んだ青が、この心臓を強襲する。
( 何言ってんの、ばか。)