私は愛を選んだ
少女は愛を殺した
私は数年前とは比べ物にならないほど、
平穏な暮らしをしていた。
家族というものを知り、
彼と愛を育む。
幸せな日々を過ごした。
だけどそこに囚われていた少女は
気づかないうちに日に日に狂っていた。
落ち着いたはずの少女の瞳は虚ろで、
憎しみと言う名の感情を抱える。
そして少女は刃をたてた。
私は知ることになる。
少女が何を憎み、何を愛し、何に囚われているのか。
少女の真っ黒な闇は真っ白い光で塗りつぶされる。
残酷に美しく、残虐に華々しく、
狂おしい程の愛を少女は紡ぐ――。
『憎悪を愛する少女』蝶華編