ストーリー概要および物語の設定
古くから伝わる産神様のお話。
『 子が神からの預かり物と言われた時代。
お産は難病と相違ないものだった。
産神神社は大層賑わい。
安産の神として名を広める。
無償で助けを請う人々に、呆れた神は人を見切った。
信心深く、何を差し置いてでも助けを請う者だけが辿り着く、神社の入り口を作ったのだ 』
その入り口を守る者と、その神様の元にお供えされた少女の話。
ある夜、命と引き換えに少女がお供えされる。
少女は人から物になり、血が巡らず、生きるための循環を行わない。食うことも、寝ることも必要としなくなった。
少女にはただ時間だけが与えられ、同じように何百年も生きる青年は神から預かったお供え物をそばに置く。
人としての体がなくなったのに、心だけはそのままで、価値ある人生をーー…と願ってしまう。
仕事して、評価される。
結婚して、子供を産む。
あって当たり前だと思っていた生活が出来ない苦しみを胸に仕舞い込んで生活する少女に限界がくる。
何故自分はお供え物にされたのか。
要らない子だったのだろうか。
人は贅沢な生き物だ。
家庭を築き、子を生む。
自分はそれすらも出来ないというのに。
この作品は「対価」をコミック原作化したものです。