アリーシャは従兄のロイドと共に郊外に建つ屋敷で暮らしている。二人きりのそこは安全地帯。穏やかで幸福な日々。けれど彼女はその影で、毎日愛しい彼に薬を盛る。一方で、ロイドの方にも彼女には話せないある秘密を抱えていた――――
一滴、二滴、三滴。
琥珀の水面に毎朝そっと願いを溶かす。
今日も貴方が私の傍にいてくれますように、と。