16の冬、私はコンビニで不良をひろった。
「うちに来ますか?」
その一言がすべてのはじまり。
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なぜ誘ったの?
「特に理由はないです」
なぜついて行ったの?
「別に。気分」
不器用同士の同居生活は
無関心からのスタートだった。
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虚弱体質なアンニュイ系女子
ただしワーカホリック
茅森(かやもり)
×
無気力気まぐれヤンキー
ただし朴念仁ではない
花平(はなひら)
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「花平くんは服を着てください」
「偶発的に混浴してくんな茅森」
お互いの事情には一切干渉せず、
名前すらも知らない日々。
だけどふたりで食べるご飯は
いつもより美味しかった。
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「なあ茅森、噛んでいい?」
「…それで花平くんの気が済むのなら」
角砂糖がミルクに溶けるように
甘く、甘く落ちていく。
※別サイトにて連載、完結済。多少の加筆修正をしつつ本サイトでも掲載していきます。