不器用オオカミとひみつの同居生活。

作者花袋 一

深夜のコンビニで拾ったのは、傷だらけの不良でした。



16の冬、私はコンビニで不良をひろった。



「うちに来ますか?」

その一言がすべてのはじまり。




*

.




なぜ誘ったの?

「特に理由はないです」



なぜついて行ったの?

「別に。気分」




不器用同士の同居生活は

無関心からのスタートだった。






虚弱体質なアンニュイ系女子

ただしワーカホリック


茅森(かやもり)


×


無気力気まぐれヤンキー

ただし朴念仁ではない


花平(はなひら)







「花平くんは服を着てください」

「偶発的に混浴してくんな茅森」



お互いの事情には一切干渉せず、

名前すらも知らない日々。



だけどふたりで食べるご飯は

いつもより美味しかった。










「なあ茅森、噛んでいい?」

「…それで花平くんの気が済むのなら」



角砂糖がミルクに溶けるように

甘く、甘く落ちていく。





※別サイトにて連載、完結済。多少の加筆修正をしつつ本サイトでも掲載していきます。