時空を翔ける少女は前世の物語を唄う

作者美波いるか

安藤姫華は毎夜のように不思議な夢を見ていた。夢の中での自分は幽霊らしき存在で誰からも認識されない。まるでファンタジー世界のような剣と魔法の王国の城の中、どうやらこの国のお姫様らしい少女をいつも後ろから眺めているのだが、今夜は少し様子がおかしい。

チラリと窓から城の外に目をやると、馬に跨った騎士達…

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平凡だけどクラスの中ではちょっと可愛くて人気者な高校一年生、安藤姫華(あんどうひめか)は突如絶交宣言をされた幼馴染の薫(かおる)と仲直りすべく奮闘中!


そんな中、イケメンな謎の転校生、新堂透が現れる。転校生は姫華に急接近、そして「君の秘密を知っているよ」と囁く…。


その夜、姫華が眠りについて見た夢は前世の自分が死ぬ時の夢。一国の姫である自分が婚約者である隣国の王太子に裏切られ、死の間際に薫そっくりな騎士に自身の全てを込めた魔石を渡していた。「これを貴方に託すわ。次に生を受けた時、私達を導いてくれるように…」


ハッと目が覚めた時、姫華は涙を流していた。けれど涙の理由はわからず、なぜこんなに胸が締め付けられるように苦しいのか…。


一途なはずの想いは前世に引きずられ、自分の本当の心がわからなくなりーー…。

今時女子高生の前世は剣と魔法のファンタジー世界のお姫様!裏切りの黒幕は誰だ?