「えいっ! ……やあっ!」
曲がり角で素敵な殿方とぶつかって恋に落ちるその日の為にトレーニングに勤しむお姫様。その甲斐あって猪のような勢いのタックルを身につけ、素敵な婚約者と巡り会えたけれど――。恋愛初心者なお姫様は何だかおかしな方向に一生懸命頑張っています。
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精霊の加護を受けた姫君マリールティアは月に一度、商人が持って来てくれる恋愛小説にどっぷりとはまっている。
いつか自分も曲がり角でぶつかった素敵な運命の人と、燃えるような恋をしたい。そんな希望と憧れを胸に、護衛兼従者のシーディンランダーが向ける冷たい視線も何のその、今日も自室でサンドバッグを相手にタックルのトレーニングに励む毎日。
そして十三歳になったある日、彼女はとうとう運命の相手と巡り会う。
大好物の苺のタルトを食べる為だけにこっそりと忍び込んだ夜会で、一人の令息とぶつかったのだ。
初めての恋に戸惑いながらもマリールティアは何とか婚約にこぎつけるものの三年後、愛されているのだろうかとふと不安を覚える。
かくして婚約者エディザードともっと仲良くなる為、可憐な脳筋姫君は奮闘するのだった。
でもそれも、ちょっぴり(?)腹黒なエディザードはお見通しのようで――?