予後、夕焼け、スパゲティ

作者一初ゆずこ

二十五歳の淳美は、小学校の図工の先生になって三年目。
初夏のある日、隣家に住む三つ年下の幼馴染・浩哉にスパゲティをご馳走した出来事がきっかけとなり、病で療養中の浩哉の祖父・菊次にも、毎週土曜日にスパゲティを振る舞うことになる。淳美はさまざまなメニューに挑戦し、菊次を支える浩哉の母・佳奈子を交えて、…

予後、予後、赤い予後。鈴のように言葉は転がり、夏の音色を奏でていた。

涼やかな音の意味を知る前に、祖父はその年、亡くなった。


青空が夕空へと移ろうように、始まった夏が終わるまでに、人間模様が変わっていく。これは、大人になった私が、お隣に住む幼馴染のおじいちゃんと、毎週土曜日にスパゲティを食べるお話。