「メリッサ、お前には、結婚して当家を出ていってもらいます」

朝食の席で放たれた一言を、メリッサはいつもと変わらない無表情で聞いていた。

即刻荷物をまとめて嫁ぎ先に向かうようにと母から言い渡されたメリッサは、名前しか知らない結婚相手の元に(素性を自力で調べ上げ、自力で馬車を乗り継いで)向かうのだ…