「あなたは私を知っているの?」
 とある日に出会った見知らぬ少女は突然そんなことを言った。
 しかしこの出会いによって、俺の人生は大きく変わるのだった。

 少しでも嫌なことがあったらすぐに逃げ出す逃げ癖がある高校生、星名勇吾(ほしなゆうご)には好きな人がいた。それは幼馴染の深美恵莉(ふかみえり)だった。しかし恵莉は勇吾の友達である徳成伸矢(とくなりしんや)に片想いをしており、勇吾はその相談相手になっている。

 そんな毎日が嫌になってバイトから逃げ出した勇吾は現実から目をそらすために星空を眺めていた。そんな時、勇吾は輝く星空のような瞳をした少女に話しかけられた。

「ねえ、あなたは私を知っているの?」

「えっ、あっ、うん」

 勇吾はその知らない少女に嘘を吐いてしまう。しかもその服の胸辺りに『AI』と書かれた少女、アイには謎の波動を出す力があり、嘘だったら消すと言われてしまった勇吾はアイを知らないことを言い出せなくなってしまう。

 アイは何者かに狙われており、波動の力は一日に二回しか全力で撃つことができない。しかし勇吾に触れていれば何度も撃てることが分かり、勇吾はすぐにでも逃げだしたくなるような戦いに巻き込まれる。戦うのは怖いが、逃げれば消されるかもしれない。そんな恐怖を持ちながら一緒に暮らすことになる。

 これは逃げ続けてきた少年と、記憶をなくした謎の少女の物語。