たとえ世界が君のものにならなくても

作者木村

舞台は魔法が存在する異世界。
この世界には世界征服を目論む魔王がいる。しかし、魔王の手下である魔物による被害はここ数年、何故か激減している。
そんな世界の『はじまりの街』で花屋を営む青年ナキルには数年前から秘密の友人がいる。毎月、新月の夜に現れる『彼』。
「ナキル、俺様が来てやったぞ。喜べ!」
名…

舞台は魔法が存在する異世界。

この世界には世界征服を目論む魔王がいる。しかし、魔王の手下である魔物による被害はここ数年、何故か激減している。

そんな世界の『はじまりの街』で花屋を営む青年ナキルには数年前から秘密の友人がいる。毎月、新月の夜に現れる『彼』。

「ナキル、俺様が来てやったぞ。喜べ!」

名前さえ教えてくれず、たまに角が隠せていないけれど、いつも優しい彼のことがナキルは好きだった。だから魔王だろうと気が付きつつも違和感に目をつぶった。

しかし平和な日々は突然終わりを告げる。勇者による魔王討伐の旅が始まったのだ。彼は新月の夜に現れなくなった。

ナキルは魔王が住むという最果ての塔まで彼を迎えに行くと決意する。一般人の彼には困難の連続であったが、いつも黒くて大きな魔物が彼を助けた。そうしてナキルがなんとか勇者よりも前に最果ての塔にたどり着くと、そこには恐ろしい竜がいた。

「知ってたよ、そんなこと。ずっと前から知っていた。それでもここまで来たんだから、俺が言いたいことはわかるだろう?」

世界の悪と一般人によるほのぼの異世界ファンタジー。