公爵令嬢ティアベルが七歳の誕生日にお父様から与えられたプレゼントは、なんと黒髪美少年(狼獣人)だった。え?なんで?しかも彼・アルトバロンと主従契約を結んだ瞬間に、自分が悪役令嬢で十年後には彼から暗殺されることを思い出す。どうしよう、とりあえず彼に私が原因のトラウマを植え付けさえしなければ、暗殺…もっと見る
アルトバロンの双眸に、長い睫毛の影が落ちる。
「必ず、どんな手を使ってでも……
――〝最愛(お嬢様)〟を手に入れてみせると誓います」
私を見下ろす彼の菫青石の瞳は
どこか危険な雰囲気を秘めた、
とろりと甘く重たい仄暗い熱を帯びていた。