モノクロの羽美(うみ) 【完】

作者ゆうり

海が大好きだった母。

ここに来ると想い出す、
母と過ごした大切な時間。

「お母さんはきっと、死んだら
空じゃなくて海に行くかもね?」

そう優しく微笑んだ母はもうこの世にはいない。

最愛の母を亡くした
私の目に映るのは、モノクロの世界。

そんな中で出会ったのは、
青色の綺麗な目をした、純粋…


あと、1週間‥


私は父親の住む、外国へと旅立つ。


私はそれまで、母親の故郷で

祖母と一緒に暮らす事となった。



「お母さんは、ずっと羽美(うみ)の味方よ」



最愛の母を失った哀しみは、

母の大好きだった海にさえ

溶け込んではくれない。



「‥僕も羽美ちゃんの味方だよ」



そんな中で出会った貴方に

私はどれだけ心を救われたのだろう。