継母を中心とする家族から虐げられていたルーチェ・アトリア伯爵令嬢は、偶然参加した祝宴で「英雄」と名高き年上の完璧貴公子シリウス・カリースト公爵に見初められ、求婚される。彼の愛を一身に受けてルーチェは一生続く幸せを掴んだ……かに思われたのだが、なんと結婚を目前にしてシリウスが事故死したという知らせが届いた。「お前の存在価値は公爵との縁をつないでくれるということだけ」と言ってはばからなかった家族は、これを機にルーチェを遠地の修道院に送ることに。ルーチェは最愛の人の死に絶望していたが、修道女たちの優しさや温かさに触れ、農作業をしながら静かに彼を弔う生活を送っていこうと心に決めたのだった。しかし、悪戯な運命の女神はルーチェを放っておいてはくれないらしい。ある日、ルーチェのもとに城からの使者が現れて――「あなたを国王陛下の妃として召し上げます」「……えっ？」現国王はまだ少年でいずれ年齢も家柄も釣り合う妃を迎える予定だが、それまでのつなぎとしての王妃役を公爵夫人になるための教育を受けたルーチェに務めてほしいというのが使者の言い分であった。逆らう力もなかったルーチェはこの運命を受け入れ、城へと向かう。だが、夫となったこの少年王には、実は使者も知らなかった大きな秘密があって――。
愛を知って強くなった「シンデレラ」は、もう守られるばかりのか弱い女の子じゃありません！
英雄たるあなたが生涯で唯一愛した女の名に恥じぬよう、私は過酷な運命に全力で立ち向かいます！！
（※序盤から悲恋詐欺をしていますが、所詮は詐欺なのでヒーロー×ヒロインのハッピーエンドです！）