捨てられた妃 めでたく離縁が成立したので出ていったら、竜国の王太子からの溺愛が待っていました2

作者里海慧

アステル王国で離縁され、ずっと支えてくれた専属執事兼竜人の国ラクテウスの王太子、アレスと結ばれ三年。

新婚旅行も兼ねて魔道具開発のため、ロザリアとアレスは素材探しの旅へ出ることにした。

ついでに帝国と外交をして、魔道具の販路拡大を目標に夜会へ参加しようとしたけれど——

「わたくしがアレス殿下…

愛妾が懐妊したからと離縁され


ずっと心が渇いていた


そんな私に貴方は愛を注いでくれた



そして私たちは番の契りを交わし


今も変わらず愛してくれている



「ロザリアが嫉妬してくれて嬉しいと言ったら、怒る?」



私を翻弄するのは甘く囁く貴方の声



「俺はロザリア以外なにもいらない」



頬を撫でる温かな手のひら



「ロザリア、俺をもっと欲しいと言って」



そして熱を孕んだ夜空の瞳



アレスの嫉妬と狂愛に溶かされる——



それなのに



——どこにもいない。



最愛の番が奪われ、その気配さえ感じない



私を蝕むのは


敵を滅するための憎悪と、発狂しそうな焦燥



「私のアレスはどこ?」



私の最愛を奪うというなら



「許さないわ。私の番を奪うのは絶対に許さない——!!」



私は沸々と湧き上がる怒りに身を委ねた——