両親が亡くなって
兄たちは養子に出され
使用人同然の扱いを受けてきた
(もう、いいかな……ここから逃げよう)
公爵家嫡男の婚約者も
従妹に悪女だと吹き込まれ
奪われてしまった
「いいタイミングでしたわ。
このまま冴えないおふたりで婚約でもなんでも結べばよろしいわ。
私、もう疲れたのでこれで失礼いたします」
悪女だと言われたので便乗して
逃げ出したはずなのに——
「其方に頼みがある。ルシアンの教育係になってほしい」
「……私、稀代の悪女と呼ばれていますので、なにかの間違いでは?」
王太子の腹黒教育係として王命まで下され
新たな生活がスタートする
ところが——
「……ずっと前から君がほしかったと言ったら、信じる?」
「——はい?」
素直すぎる(?)王太子と悪女の才能あふれる令嬢の物語
※冒頭に少しだけ暴力表現があります。ご注意ください。
※タイトル変えました。
旧タイトル
『王太子の教育係〜婚約破棄された悪女をご指名ですか? 王命って、なにかの間違いですよね?〜』