太一は幼い頃から、他の人には見えない不思議なものが見える能力を持っていました。
それは怪異と呼ばれる、人や生物の感情や思念が具現化した存在でした。
太一には妹もいましたが、彼女は太一とは違って怪異を見ることができませんでした。
太一は妹に怪異のことを話しても、信じてもらえませんでした。
両親も太一の話を重度の虚言癖と誤解し、彼を病院に連れて行こうとしました。
太一は自分の能力を隠そうとしましたが、それでも両親から疎まれることになりました。
結局、彼は実家の祖父母の家に一人預けられてしまいました。
太一は学校でも孤立していました。
太一は自分の能力を隠そうとしても、
いつも怪異に邪魔されたり、周りの人から変な目で見られたりしました。
太一は自分の生まれ持った特異体質や自身の心の弱さを嫌っていました。
彼は誰かに理解されたいと願っていましたが、その願いは叶わないと諦めていました。
しかし、そんな太一にも唯一親友と呼べる友達がいました。
剣道部のキャプテン健太でした。
健太は剣道の腕前だけでなく、
人柄も良くて、クラスメートから慕われていました。
健太は太一を仲間として認めてくれて、
いつも優しく励ましてくれました。
健太は太一に剣道を習ってみないかと誘ってくれたので、太一は剣道部に入りました。
剣道部では他の部員からも受け入れられて、
太一は少しずつ自信を取り戻していきました。
「おい、太一。今日も練習頑張ろうぜ」
「うん。ありがとう、健太」
二人は笑顔で握手をしました。
そんなある日、
太一は帰り道に近所の空き地に寄りました。
そこには不法投棄されたゴミの山がありました。
そのゴミの山は怪異発生の温床になっていて、太一にはその中から悲鳴や呻き声が聞こえていました。
太一は怖かったですが、誰かが助けを求めていると思って、
勇気を出してゴミの山に近づきました。
すると、