りけじょ!のシュールな冒険【I】超次元編☆序章☆

作者憮然野郎

シリーズ 第一段!
 アホで愉快な科学部理系女達がなんと
『19万6883次元の世界』を冒険しちゃいます!

 おなじみ科学部4人は
愛理栖の姿をした謎の男子と出会うのですが……。
 男の子はある研究者から逃げ出してきたと言うのです。
 詳しく調べたところ、その男の子は196883次元から来たこと…

「ただいま~!」


「……」


「ねぇ、お母さんもいないの?」


(お母さんは専業主婦だから、

この時間は必ず家にいるはずなのに……)


「お父さん?」

真智は、とりあえずお父さんの書斎の戸を開けてみた。


お父さんもいなかった。


真智は仕方なく

自分の部屋に行く事にした。


「あれ?」


「あたし、疲れてるのかな?」


「あれあれ?

どうして!?」


真智は自分の部屋に……入れない。

入れないと言うより、のだ。


部屋の戸を開けて部屋の中の様子はわかる……。


でも、入ると、そこは真智の部屋の外だったのだ。


「ねえ!? ちょっとこれ一体どういうこと!?」

真智は独り言をぶつぶつ言いながら、

孤独と不安を誤魔化しながら必死で家中を調べた。


「お母さん!

    お父さん!

ねえ! お願い!

 誰か!

   何か答えてよ!」


真智はその場で泣き崩れてしまった。




"お夕飯の準備終わっているのに

真智は帰り遅いですね~"


"俺がちょっと言い過ぎたかもしれん"


"本当ですよ~!"


「お母さん!?

お父さん!?」

すぐ近くで二人の声が聞こえ、

真智は急いでその声の方へと向かった。


「お父さん~! お母さん~!

あたし、目の前にいるよ~!」


"とりあえず、先に食べようか?"


"駄目ですよ。

あなた真智に謝るんですよね?

あの娘を待ちましょう"


"あ、ああ……"


真智の声は二人に届いてはいなかった。


真智が辺りを見渡すと、

食卓があるはずの部屋には……、

空間が無かった。


「「ピィィィィィブゥゥゥ~!」」

突然、耳障りな強烈な機械音が真智の耳に飛び込んできた。


「痛い痛い!

頭が割れそう!」


真智は、その死を覚悟させるような強烈な音に、その場に倒れた。

そして、横寝の体勢で耳とまぶたを塞ぎ、

ひたすら耐え続けた。



「「シュ~ン!」」

何時間我慢してからだろう?

突然パソコンがクラッシュした時のような音が聞こえ、

真智は自分の頭の中と体が軽くなったのをはっきりと感じた。

そして、強烈な睡魔に襲われた……。