振り出しは40億年前の地球
プレイヤーはわがままな姫君ただ一人
各時代でサイコロを振り元の時代へ
驚きの真相を彼女はまだ・・

幼い頃孤児だった彼女は王室の娘になる。
そして、思春期の彼女は永遠の若さ以外は何もかもを持っている満たされた人生の中でいつしか大切な気持ちを忘れてしまう。
しかし……、薬…

ピカーッ


……


ドドォォォォーン!


わたしは時折大きな雷鳴が響く激しい土砂降りの中、家出を決意した。


 しかし、家出をして身寄りがない私は、

すぐに孤独という厳しい現実を痛いほど痛感した。


『寂しいよ。おばあちゃん……』


クシュン、クシュン!

『寒いよ……』


土砂降りのスコールから逃れる為、

わたしは路地裏の雨避けが出きる場所をみつけると、暫くそこにじっとしていた。


実際は家出をした日から丸1日しか経ってはいなかったが、

わたしにはそれが何日にも感じられた。



わたしは誰かがこんな自分を救い出してくれることを期待して、

ひたすら辛抱強く待ち続けた。


しかし、激しい土砂降りの中、

こんな路地裏を通りかかる人なんて居るはずは無かった。


……。


時間だけが虚しく過ぎていった。


わたしは、ここへ来るまでに

滝のような土砂降りに打たれていた。


普段は癖で跳ねた太く赤小麦色の髪は、

雨水の重みで私の視界を遮った。


年季が入り穴の空いた粗末な服は

雨水に濡れたことで、

私の身体にぴったりと貼り付いた。


わたしは全身がずぶ濡れになっていたが、

家出してきたわたしに

替えの衣服やタオル等がある筈は無かった。


わたしは軒下で雨を凌ぐ間もずっと体温を奪われ続け、

そして、寒さでとうとう心が折れてしまった。



わたしが止むなく家出した場所へと引き返そうと後ろをふりかえった丁度その時だった。



「「え!?

ちょっと、

あなた、大丈夫……なの!!?」」


あたしを見て激しく驚いた様子の女性の声が遠くから聞こえた。


彼女はすぐにわたしの方へと駆け寄ってきた。


「ねえ、あなた、名前は?」



「カ、カムラ……」


暗く心を閉ざしていた私には、

そのキラキラと輝くネックレスと上品な服を召した女性がまるで太陽のように眩しかった。


小顔で整った顔立ちの綺麗な大人の女性だった。



それが、今のお母さんとの最初の出会いだった。