戦国時代末期…薩摩・島津家。



朝鮮出兵で21歳の若さで散った島津宗家の御曹司・島津久保と正室亀寿姫。
 

夫婦になった春の日、桜舞い散る夜に約束をした。


何度生まれ変わっても、また夫婦になろう。


たった4年間の結婚生活。



それでも貴方に愛された日々は…私の人生で一番幸せでした…

桜を見ると、貴方様を思い出す。







玉響たまゆら






それは…貴方様にとともに生き、愛された、たった4年間の日々のこと。 






その日々は夢のように、幸せでした。







そして…貴方様が亡くなって初めての春。







もういないはずの貴方様から、文が届く。









『————愛し君へ』




 




その甘い言葉で始まる、切なく優しい文は。









『毎年、共に桜を見よう。夫婦になったこの春を、忘れないように。そして何度生まれ変わっても、夫婦になろう。』







夫婦になったあの桜舞い散る夜に交わした約束を守るように、桜が咲き誇る季節には毎年届くようになった。



 



—————————愛し君へ。








それは…時を超えた、永遠の愛の約束。