英文学部二年の日向秋久は、頼まれると断れない素直な性格から、よく教授からの雑用を頼まれていた。倉庫となっている行き慣れた旧校舎は人気がなく、錆びた灰皿だけが置かれた喫煙所はいつも空っぽだった。さびれた喫煙所を近道として使う日向は誰とも遭遇したことがないのに、今日はなんだか様子が違っていた。誰もい…もっと見る