ただ煙草が吸いたいから、という理由だけで陽射し溢れる平日真っ昼間の公園にいた。夏の盛りに後悔ばかりを胸に紫煙を燻らせていると、ふと聞こえてきたのは場違いにも柔らかな子どもの声だった。大きすぎるTシャツに身を包み、こちらをじっと静かに見つめてくる視線は少女とも、少年とも取れる。
 ふっくらと丸みを…