《九の章》 下弦の月(かけるつき)

作者彩 愛 美


居待ちて

立ち待ちて

寝待ちて

やがて

月は傾いて

翳りを見せて来る


老いて朽ち行く姿

見たくも見せたくも無い

何れは辿る道とは言え

せめて雲よ

哀れな姿を

包み隠しておくれ

知らさずに

居ておくれ