懐かしさとは少し違う

作者はるき

『心』の疲れから仕事を辞め、一年経ったある日。先輩から「久しぶりに顔が見たくなったから」と連絡が入った。だが、その人はかつて……。




 森川すみれは、元勤務先での執拗なパワハラが原因で体調を崩し、一年前に退職してから通院と自宅療養を続けていた。


 そんなある日、彼女の元へ一本の電話が入る。


「今度会わへんか」


 と、聞き覚えのある声が、鼓膜に反響した。


 その電話の相手は、かつての先輩 ・津田。


 その人は、過去にすみれが好きになった人。


 そして、自分が退職する原因を作ったーーと疑惑がある人でもあった。