※この話はフィクションです
- 最終更新日
- 2010/05/19
- 作品公開日
- 2010/01/14
- ページ数
- 完結 86ページ
- 文字数
- 16,585文字
- セルフレイティング
- 性描写
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作品コメント
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- みち
ここに宿る優しくて温かいもの 温かく、優しく、切ない。 二人を取り巻く環境と言うのはそん な言葉で表せるかもしれない。 通常以上のスピードで年を重ねる彼 女を、彼は、そして彼女自身はどん な想いで過ごしていたのだろう。 きっと、いっぺんの曇りもなく、と いうことはなかったはず。 それでも、それ以上のモノが間違い なくあったんだと思う。 宝石のような、という例えがあっ た。 二人が過ごした時間というのもそう だが、二人が共にお互いというパー トナーに出逢えたこと。 こういう形でしか出逢えなかったと しても、それでも。 二人が出逢えたこと。 それが宝石のようなきらきらしたモ ノなのかもしれないと思う。 ここに宿る、優しくて温かいものは 間違いなく「愛」なんだと思う。
- 雪
ぎゅっと凝縮された人生にぎゅうっと詰まったラブストーリー まず題材が面白いと思いました。 普通の人間の三倍のスピードで歳をとっていく病気の女の子。 その幼い少女を引き取って育てていく青年。 文章が綺麗で読みやすく、 面白い言い回し・比喩的表現も多いので、一気に話に惹き込まれます。 最初に大方の話の展開が読めてしまうので、 少女が年を重ねるごとに生まれるであろう心の葛藤や青年との関係性がどう描写されているのだろうと、 早くページを捲りたい一心で読みました。 すんごいどんでん返しでもない限り最後はきっとハッピーエンドだろうけど、 でもどう転がっても切ないよね…… と、最後まで期待感をもって読み進められます。 短編なのに、その中に世界観をしっかりと描かれてあって、 すごいなあと思いました。 温かいけど、でも…… え~ん(涙) でもやっぱり切ないよう。
- mimiko
このふたりの恋は、心持ちの潔さは桜なれど、日々は薫る梅のような…… 淡々と紡がれる文章に、日々の積み重なる気持ちがあり プロポーズは、それが当然といった自然な空気で行われ なのに、ふたりを取り巻く、あまりにも無情な運命に、先行きが見えて、自然に涙が出ました わかっていたからこそ、ラスト近くの静かな静かな、ちょっとした別れが辛くて あまりにも非常な運命に、私は、読んでいる間中、微かな奇跡を願わずにはいられませんでした そして奇跡は起こらず 美しい『軌跡』として人生を振り返ることの出来る 主人公の生涯にため息をつくことになります 真実の愛なんて言葉は、あまり使いたくないのですが 普通に愛して、普通にふたりで生涯を送った、ささやかな日々の生活 『赤い靴』 つないだ手に、やはり、 『愛』を見ました 変な感傷を誘う事柄もありません ただ出来事を淡々と追う文章が、彼女の心の強さと覚悟を知らしめて 苦しかったです 受け止める彼も、悲しかった 誰かを愛するということは、幸せで幸せすぎて、やっぱり悲しいのかもしれない、と思いました