作品コメント
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- みち
ここに宿る優しくて温かいもの
温かく、優しく、切ない。
二人を取り巻く環境と言うのはそん
な言葉で表せるかもしれない。
通常以上のスピードで年を重ねる彼
女を、彼は、そして彼女自身はどん
な想いで過ごしていたのだろう。
きっと、いっぺんの曇りもなく、と
いうことはなかったはず。
それでも、それ以上のモノが間違い
なくあったんだと思う。
宝石のような、という例えがあっ
た。
二人が過ごした時間というのもそう
だが、二人が共にお互いというパー
トナーに出逢えたこと。
こういう形でしか出逢えなかったと
しても、それでも。
二人が出逢えたこと。
それが宝石のようなきらきらしたモ
ノなのかもしれないと思う。
ここに宿る、優しくて温かいものは
間違いなく「愛」なんだと思う。 - 雪
ぎゅっと凝縮された人生にぎゅうっと詰まったラブストーリー
まず題材が面白いと思いました。
普通の人間の三倍のスピードで歳をとっていく病気の女の子。
その幼い少女を引き取って育てていく青年。
文章が綺麗で読みやすく、
面白い言い回し・比喩的表現も多いので、一気に話に惹き込まれます。
最初に大方の話の展開が読めてしまうので、
少女が年を重ねるごとに生まれるであろう心の葛藤や青年との関係性がどう描写されているのだろうと、
早くページを捲りたい一心で読みました。
すんごいどんでん返しでもない限り最後はきっとハッピーエンドだろうけど、
でもどう転がっても切ないよね……
と、最後まで期待感をもって読み進められます。
短編なのに、その中に世界観をしっかりと描かれてあって、
すごいなあと思いました。
温かいけど、でも……
え~ん(涙)
でもやっぱり切ないよう。 - mimiko
このふたりの恋は、心持ちの潔さは桜なれど、日々は薫る梅のような……
淡々と紡がれる文章に、日々の積み重なる気持ちがあり
プロポーズは、それが当然といった自然な空気で行われ
なのに、ふたりを取り巻く、あまりにも無情な運命に、先行きが見えて、自然に涙が出ました
わかっていたからこそ、ラスト近くの静かな静かな、ちょっとした別れが辛くて
あまりにも非常な運命に、私は、読んでいる間中、微かな奇跡を願わずにはいられませんでした
そして奇跡は起こらず
美しい『軌跡』として人生を振り返ることの出来る
主人公の生涯にため息をつくことになります
真実の愛なんて言葉は、あまり使いたくないのですが
普通に愛して、普通にふたりで生涯を送った、ささやかな日々の生活
『赤い靴』
つないだ手に、やはり、
『愛』を見ました
変な感傷を誘う事柄もありません
ただ出来事を淡々と追う文章が、彼女の心の強さと覚悟を知らしめて
苦しかったです
受け止める彼も、悲しかった
誰かを愛するということは、幸せで幸せすぎて、やっぱり悲しいのかもしれない、と思いました - ゆーはな。
一生分の恋
……泣いてしまいました
どうしましょう、本当に誇張でなく嘘でなく泣きました
最初は可愛らしく、小さく幼かった神流
だんだんと成長し、年上になり、そして老衰へのカウントダウンがはじまり……
一年で三年分歳をとるという設定が憎らしくなるくらい、胸を締め付けられました
彼女を最後まで愛し続けたヒロアキにも心を打たれます
どんな別れが待っているのか、最初からわかっていたのに……
“死”がハッピーエンドに思えた自分に驚きました
ヒロアキ、神流、二人は天国で永遠に幸せでいてほしいです
二人の人間の、一生分の恋が詰まっている作品でした
しっとりとした流れの作品で、きっとどんな方でもすらすら読めると思います
色んな方に読んでいただきたいです - 春風空
★×5
年上彼女、というタイトルだったので始めは
どくにでもあるよくある小説かなと思っていましたが…
普通よりも3倍の速さで年をとってしまうという、設定で驚きでした。
また、ページ数はそれほど多くは無いのに
内容は濃くて、文の使い方も上手ですらすらと読みやすかったです^^
最後の方は、もう本当に切なくて私もその物語に中にいるような
感じがしてしまいました。
今後の作品にも、期待しています!! - SHI~NA
スピードも3倍、幸せも3倍
三倍のはやさで歳をとる少女。
もう結婚するつもりはないと言い切るバツイチの男性。
二人が出会い
紡ぎだす幸せの日々に
切なさと愛しさが同じぐらい込み上げてきて
涙が自然と頬を伝いました。
大人の方にも胸をはってオススメできる素晴らしい作品です。 - 清乃
お釈迦様みたい
圧巻。
素晴らしかった。
文句なしの星5つ。
この世界観。
シルクのような、ずっと頬を摺り寄せていたい空気感。
言語は日本語だけど、どこか知らない世界を完璧に創り出していた。
外国の美しさ、オシャレのエッセンスと、日本語の美しさ、柔らかさを融合させ、童話のような、それでいて極上の恋愛を美しく優しく綴った上質な小説で、1ページごとの重みを感じずにはいられない。
「この作品に出会えてよかった」
そう心底思った。
頬を伝う涙は、悲しみではなく、その美しさと柔らかさに開放されてとめどなく流れるもの。
だから、心が痛んだり泣き疲れたすることなく、読み終えると充実感に満たされる。
これだけの作品を創り上げる作者様。
素人の域じゃない。
もうとっくにプロの域に達していると思う。
薄っぺらい感動ではなく、この作者様の宇宙のように広くて慈しみ深い世界観は、きっと人を豊かに成長させるもの。
是非、プロとして活躍していただきたいと心から願う。
素敵な作品、ありがとうございました。
こんなに静かで穏やかな作品なのに、今もまだ、胸のドキドキが治まらないです。