潮の香りが鼻孔をくすぐり、
金魚が鉢でポチャンと音をたてる。
蚊取り線香の煙が宙に舞い。
風鈴が風に揺られ音をたてる。
日に日に積もるこの想い。
「超特急が好き。」
「かわいいって思われたいの。」
「いい加減気づけ、ばーか。」
鈍いあなたは実は確信犯
。
あの夏、あのとき、耳に聞こえてきていた川のせせらぎや、弟たちの騒ぐ声。
それが一瞬にして聞こえなくなるほど、あなたに夢中になりました。
「じゃ、いいことしてあげる。俺のうちわの本当の使い方。」
本編~P20
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