「vengeance」

その扉は開けてはいけない――

漆黒の闇の中に、彼は静かに佇んでいた。


闇に溶け込むかのように、漆黒を身に纏って。


闇の中で妖しく光る、赤。



彼は穏やかな笑みを浮かべて、口を開いた。



「いらっしゃい、ようこそvengeanceへ」




その扉は、開けてはいけない――




                                                by霜月 洸