作品コメント

人の本当の姿は、ちゃんと見ようとしないと見えない。
何も変わらない日常を過ごしていたアユミに、突然訪れるショーゴとの出会い。
それは非日常のことが沢山で、周りから入る噂にも振り回される。

噂って怖い。
本当のことは本人にしか分からないし、色んな尾ひれが付いて、真実がどんどんねじ曲がっていく。

アユミも先入観から相手を見て、頑なに拒否しようとする気持ちが、凄くリアルだと思いました。


誰だって、問題だらけの人と付き合うよりも、自分の理想の素敵な人と付き合いたいって思うもの。
その中には、怖いとか、危険とか、色んな思いがあると思うけど。

だけど先入観から、相手のことってちゃんと見れないものなんですよね。


一緒にいる時間が少しだけ増えても、見えてなかった本当の姿。
一人じゃ気付けなかった大切なことに、大事な仲間や奏くんが気付かせてくれた。



ショーゴは普段はふざけてるけど、やる時はやる男の中の男。
そんな人にずっと一途に想われるアユミは幸せだなって思いました。

最後のシーン、嬉しくて涙が出ました。

楽しくて、素敵な作品をありがとう！

迷惑な男だったのに
自分勝手で乱暴で野蛮で
こっちの事情なんてお構いなしに
土足で人の気持ちに踏み込んでくる迷惑な男。

こんな男に惚れられて
一方的に追いかけられて
気付けば相手のペースに巻き込まれて心まで乱される。

理想とはまったく違うタイプの男に告白されて
迷惑していたはずなのに……


今まで自分の世界にいなかったタイプの男に出会い
彼の不器用に生きる姿に目が離せなくなってしまうアユミに
とても共感しながら読みました。

ふたりの幸せなラストに大満足でした。
よかったねショーゴ！(笑)

できればアユミの年下の弟たちVSショーゴなんて短編も読んでみたいです。

伊東ミヤコ

2011年3月9日

こんな恋の始まりも悪くない
暴力で解決する、強引で自分勝手な男。
そんな第一印象は最悪だった、ショーゴ。

そんなショーゴに付きまとわれて、最初は嫌悪を感じながらも、よくも悪くも目が離せなくなっていくアユミ。

が、最悪だった印象を徐々に覆していく、作者様の手腕は見事。
女って、こういうのに弱いんだよなあと、アユミに共感すること間違いなし。

サッカー、文化祭、受験、サークルとの行事の中で揺れ動くアユミの気持ちと、大胆な性格のショーゴの恋愛が眩しいです。

これぞ、青春！

真っ白な心でぶつかる。
シリーズの番外編だけど、この作品だけでも充分読み応えがあり楽しめる内容。

勝気で、真っ直ぐなアユミと、
ヤンチャで少々変わった自論を持つショーゴ。

ショーゴが一方的にアユミを好きになるところから物語りは始まる。
全くタイプじゃない相手に言い寄られて心底困ったアユミだが、
自分の周りにはいないショーゴという男に人として興味を持つ。

金髪男との因縁について深く語らないところは、自分に対して言い訳をしないという潔さなのだろう。

絶対に無理だと思われていた大学に合格したショーゴを少しずつ男として意識し始めたアユミ。
そんな時、思いがけずショーゴの過去を知り、様々な想いが駆け巡る。

私自身、ショーゴの過去には驚き、だからアユミなんだなと改めて納得しました。

ラストの展開、幸福感は、絶妙。
こんな二人になりたいと思うほどに。

贅沢を言えば、二人の短編なども読んでみたい。