おまじないなんて、魔法なんてくだらない?それでも僕は、君に逢えたよ。
『白猫さん』
彼女は変わった人だ。
いつも、僕のことをそう呼ぶ。
他の人間たちは、色んな名前を勝手につけてくれるというのに。
この子は決まって、僕をこう呼ぶんだ。
僕は言われた通り白猫だってのに、そんなふうに呼ばれたのは初めてだった。
くすぐったいな。
こら、そんなとこ撫でないで。
『あなたも恋をしたりする?』
当たり前じゃないか。失礼だな。
あのね、僕は今。
――君に恋をしてる。