「杏奈ちゃんだ!今日も可愛いーっ」
「杏奈!今日こそ、二人で遊びに行こうぜ」
「よかったら、連絡先交換しない?」
誰もが羨む容姿端麗。
憎まれることのない性格美人。
天然で、こんな理想の女の子だったわけじゃない。
必死になって築き上げた、パーフェクトの自分。
そんなあたしにも
一つだけ欠点。
プライドが高すぎて
誰の手にも触れさせることのないまま21年。
つまりは処女。
「俺が拾ってやろうか。
その処女」
最大の欠点を知った男。
だけどこれが、最後のチャンス。
「やめる?」
「……やめない」
今度こそ、うまく処女を捨てて完璧な自分になるんだから……
「じゃあ、改めて紹介しよう。
僕の息子の陽斗。
つまり、杏奈ちゃんの弟になる」
ああ、神様……
どうかこの現実を、嘘と言ってください。
「よろしくな。
ねーさん」
あたしの初体験の相手は
義弟となりました。