今まで積み上げてきたものが
全て崩された瞬間
何もかも捨てたくなった。
「めちゃくちゃにしてやろうか。今のお前」
大嫌いな自分を捨てたくて
すがってしまった一人の男。
「……して。自分を吐き捨てたくなるくらいに」
「来いよ」
何バカなことをしているんだろうと分かっていながら
あの日の夜、あたしは名前しか知らない男の腕に溺れた。
だけどこれで
生まれ変われる。
また一から築き上げよう。
そして次は失敗しないように……。
「……嘘…」
「……よろしく」
忘れたはずの一夜は
運命とともに訪れた―――。
「なら、俺のことを好きになればいいじゃん」
2014年6月17日
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