甘いペットは男と化す【完】

作者美憂

「しばらく、ここに置かせて」
突然居座られることになった、一人の男の子。
ペットのような可愛さの裏の、男の顔に振り回され……。


あの日……


真っ白で

無垢な


綺麗な拾い物をした。




「しばらく、ここに住ませて」




そんなのできるわけない!!



だけど気づけば



「こら!ベッドに入ってきちゃダメでしょ!?」

「だってソファー、寒いんだもん」



すっかり懐いてしまった一人の男の子。



「覚悟して。

 いつもは抑えているだけだから」



見え隠れする、ペットの裏の男の顔。



「抱きしめたい」

「キスしたい」

「好き」



甘い言葉を吐く、危険なペットはあたしの手じゃ負えない!



なのに……




「ごめんね。それ、本気じゃないから」




記憶を取り戻した彼は

全くの別人だった。