高村爽

ひとりでは、
感動しました。
戦争がいかにおぞましくて、悲しいものなのかが、ダイレクトに伝わってきました。
そんなつらい状況の中に放り込まれた奈都ちゃんがここまで過ごしてこれたのは、彼女の強い心と周りの人の支えがあったから。
ひとりでは決して生きていることができなかったと思います。
奈都の強さがいちばん伝わったのは、軍人の息子たちに暴行を受けたシーンでした。
あんなに殴られて蹴られて、そういう考え方のできる奈都は、言葉では表せないくらい芯のある人間だと感じました。

つらい戦争の中で、誰もが懸命に命を守ろうと生きている。
人の強さと、戦争の悲しみがこの作品には込められていました。