理香

恋愛から距離を置く幸せ
「恋愛は素晴らしいものだ」とよく言われる。
しかし結婚できない相手との恋愛は?


作者様の本館作品
「朱い虚塔」
「消せない記憶」
「臨界」
これらの作品世界に今回の『 Reminiscences 』は、最後のピリオドを打つ。

いつも切なさに胸をかきむしりながらも読んできた。

非日常が日常になってしまった時、人は手に入れた幸せを必ずしも幸せと思えない場合がある。

毎日「料亭」は無理。毎日食べるなら「ご飯とお味噌汁」で充分なのだ。



そんな人生の苦さと甘さを噛み締めながら、教えられながら『 Reminiscences 』を読み進めた。


ラスト間際の

「あたしは
あなたに幸せになってほしくて
ここまで来たんだよ…」


このセリフで涙があふれた。


優しい優しい相手を思いやる言の葉。


恋愛は愛の究極の姿ではないのだ。


恋愛から距離を置く幸せもある。


恋愛から離れて相手の幸せを願う愛もある。


人が人を思う不思議。

幸せとは何かを、深く深く考えさせられた作品だった。