虐待に耐えられなくなった主人公が、闇夜で出会ったのは副総長。自殺と勘違いされ海に落ちた所から物語は始まります。不器用な2人が幸せに向かって歩んでいきます。
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闇に包まれたその場所で出会ったのは、闇を飲み込んだ臆病な猫。
虚勢を張って強く見せるその姿に、自分を重ねたのは自然な成り行きだったのかも知れない。
【feral cat】
野良猫は野良猫でも、彼らは迷い猫ではなく、野生の獰猛さを隠し持つ。
大きな力で街を支配する彼らに、怖いものは無い。
寂しさに身を寄せ合うだけの野良猫には成り下がらないと、高いプライドと厚い誇りを胸に刻み付け、夜の街を爆走する彼らを、人は恐れながらも憧れた。
彼らのねぐらに一足踏み入れたなら、噛み付かれる覚悟を決めるがいい。
「猫みてぇ」
「煩い、猫はそっちでしょ」
「ククク···違いねぇ」
「何よ! 余裕ぶっちゃって」
「お前は猫は猫でも、怯えて自分を守る為に威嚇するkitten(子猫)だな」
「こ、子猫って子供扱いしないでよね」
「子供扱いが嫌なら、俺を誘惑してみせろよ」
愛を知らない私に狂おしい程の愛を教えてくれたのは貴方でした。