勿忘草~キミヲ オモフ~①〔完〕

作者せこ

明治時代の遊郭・吉原にタイムスリップした私たち。
 

そこで待ち受けていたのはーーーーーー過去にとらわれた二人の男性だった。

薄紅に染まった乙女のしなやかな手で、酌み交わす酒が注がれる。



吉原中も春景色に変わり、大門から真っ直ぐ続く道中の桜が咲き誇る。



春がもたらす風が過去の悲しみと涙を思い起こさせる。



貴女と過ごした時間は刹那だったけども、愛しい日々だった。



ただ、思うことは一つ。



失った貴女をまだ、断ち切れない。



貴女と一日たりとも逢わないではいられなかったーーーーーーーーー今ではそれも、叶わない。



逢いたい、逢いたくてたまらない。



貴女の温もりを抱きたい。



春の訪れは今も昔も変わりがない。



貴女は土に還り、魂は昊に昇ってしまった。



やはり、想い出しては心が涙で行き場がない。



桜の花が散るーーーーー静かな昼日の楼閣。




貴女を妻にと誓った閨で新たに始めるーーーーーーー