日下奈緒

純粋故の苦しい感情
正に衝撃的でした。

母親に持った許されない感情。
決して醜い独占欲ではなく、ただ母親を好きだという純粋な想いがあるのに。

それはある男の策略で、埋め込まれた作り物。
そしてその作られた感情は、実の母親も育ててくれた父親も苦しめ、傷つけてしまう。

相手を欲するというのは、何なのか。
とても考えさせられる作品でした。

身勝手な男に翻弄されながらも、母親への想いは、紛れもなく本人のものなんじゃないかって、私は思いました。

それはそれで、許されない感情なのかもしれませんが。

短編ですが、読み応えは十分でした。