りょう

大人のしっとりとしたお話です。
ほぼ完結状態とのことで…

この作品に最初にレビューを書くことができることを光栄に思います。

軽い気持ちで読み始めましたが最初の数ページで引き込まれてしまい、久々の一気読みでした。

読み始めから一貫してしっとりと穏やかな言の葉の流れが心地よく、
すっと心に浸み込んできて瞼を閉じると情景が浮かびました。

でもその内に秘められたそれぞれの登場人物の激情が、うねる波のように読む者の心を度々揺さぶり続けます。

誰しも何かしら不安や憂いを抱えて生きている…
全ての行動には、意味があり、理由があり、
どんな理不尽な出来事にも、
それぞれの理があるのだなあと思いました。

このままバッドエンドなのかと心配しましたが…
最後まで読み終えてほっとしています。

梅雨の時期だけでなく、雨の日に、色々な表情を見せる雨の音をBGMに何度も読み返したくなる秀作でした。

この作品に出逢えてよかった…

何度も更新が止まった作品と聞いていましたが、
最後まで書いて下さり、本当にありがとうございました。